palewhite’s diary

心模様は、日々さまざま。

卒業旅行ならぬ離婚前旅行

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離婚前に、旅に出たい

行政書士の方の文書をひな型に、自分で作成した離婚協議書。
その最終チェックを弁護士の先生にしてもらい、また一歩、離婚に近付いた。
そうして、思う。旅に出たい、旅立とう、ではどこに?ここではない何処かに。

旅の記憶

人生はよく旅に例えられるけれど、人間が死ぬ瞬間に思い浮かべる光景は何なのだろう。
走馬灯のように光景が浮かぶ・・と言われるが、自分の子供や、配偶者、両親など家族、
友人達との間の心の交流というか、愛情の記憶が甦るのだろうか?
私は、自分が息を引き取るときに思い浮かべるのは、
必ずしも愛した人達のことばかりじゃない気がする。

最近思いだすのが、バリ島のホテルのプールサイドでの光景。
当時大人の滞在先としてアマンリゾートの評判がよく、本当はそちらへ宿泊したかった。
けれど飛行機恐怖症で海外旅行は当然初めての夫には少しハードルが高いかも。
そう考えて、私はアメリカ資本のデラックスな大型リゾートホテルへ予約を入れた。
真っ白な歯をむき出して微笑むアメリカ人!のような健康的な感じが何とも大味なホテルは、
それはそれで気持ちがよい場所だった。
当然宿泊客には家族連れが多く、夫と私はしっとりとした空気に包まれることもなく、
浮き輪を持つ子ども達に紛れてはしゃぎ、中学生の修学旅行のようだった。

滞在して何日目かの早朝、気持ちの良い朝を無駄にしたくなくて、熟睡する夫を残し、
ジャングル風に設置された熱帯の樹木の間にある小道を通りプールへ向かった。
視界が水平に開けてくる。まだ誰もいない静かなプールサイド。
水色のプールの水面を見て、焼けつくような暑さになる前の太陽の日差しを怖がらず存分に
浴びる幸福な時間。その瞬間、私は全て満たされて完結していた。

プールサイドに腰かけて、足を濡らそうか迷っていると、金髪で頬がほんのりと赤く日焼けした
男の子たちがこちらに向かって歩いてきた。
歳の頃は9、10歳くらい?はにかみながらこちらを見て恥ずかしそうに近づいてくる。
私は親愛の情が胸に溢れて、思わず笑顔で二人に手を振る。
二人もにっこりと微笑んで手を振り返してくる。
早朝なのに、もう水着。パパとママはまだ寝ているのかな?
そう思いながら、二人が弾む足取りでプールサイドから海へと続く通路へ行くのを見送った。

ただ、それだけのこと。けれどあの瞬間、男の子たちと私は世界と完璧に調和していて
ただただ幸せを感じていたと思う。
旅することを考えると、何故かこの記憶が胸に浮かんでくる。

結婚からの卒業、人生の練習としての旅

旅にでると、細胞が喜ぶような気がする。
いつもより感覚が鋭敏になり、私は生きている!と実感するからだ。
今を生きることに集中できるから、私は旅がしたいのだと思う。
娘はいるけれど、それでも離婚して一人で生きていくレッスンに、一人旅は最適だ。
今回の旅に道連れはいない、どんな旅の記憶が心に残るのだろう。
旅で出会う風景や人を触媒に、何が心から現れるか。
幸福感、寂寥、もしかしたら後悔、焦り、平安、何であれそれから目を離さない。

ひとつだけ困っているのは、行き先が決まらないこと。
海外が一番だけれど、時間の制約もあるので地方都市のこの地から直行便のある場所に
限られる。そうなると選択肢は・・韓国、中国、台湾。
悪くはないけれど、まだ訪れていない国に行きたいし、もういっそ日本の断食道場や、
森でキャンプをしたり、プチお遍路でもしてみようかという気にもなってくる。
五感を使って身体を動かす旅をしたいのはわかっているのだけれど、もどかしい。

ただいまの人生を映すかのように、
旅には出発したいのに、目的地が不明です。