palewhite’s diary

心模様は、日々さまざま。

生きる意欲、歓びメーター

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もしも心に目盛があるとしたら、燃料不足のときは

車のガソリンを給油した後、燃料計の針が滑らかに半円を描いて動くのを見るのが好き。
空っぽから満タンへ。ヒトの心もそんな風にすぐさま満たされればいいのにと思う。
心の燃料計は見えないから、気がついたときにはもう枯渇寸前の自分になっていたりする。
幸い心の燃料計は半分近くまで針が指しているけれど、あともう少しエネルギーを補給したいところ。
そんな時は自分を最優先に、したいことをする。
以前から行きそびれていた哲学者の記念館へ行くには、今日が最適だ。

自分を大切に、自分を満たす行動をする

娘に一緒に行かないと誘ってみるが、「えー」と気乗りしない様子。
さてどうしよう・・・と考えていたら、メールが届いていることに気がつき読んでみる。
それは私の状況を良く知る友人からの、自宅での「たこやきパーティ」なるもののお誘いのメールだった。
娘に参加したいか尋ねると、今度は俄然乗り気になり、ウキウキと3DSや持ち物の準備を始めている。

どうもありがとう、誘ってくださって。
でもごめんなさい、今は独りで静かに気持ちを見つめたいから、娘だけの参加でもいいかしら。

簡潔に気持ちを説明したメールを送信すると、彼女からはハートマークの絵文字のついたメールが
返ってきた。わかってもらえたのが有り難く嬉しい。

離婚前の揺れる気持ちや想い決意は、通過するまで自分だけで処理したい。
話せば楽になるとわかっていても、話さない選択を今はしたいの。
モンテッソーリ幼稚園ではないけれど、「自分でできるように手伝って」
それが私からのお願い。今は私を信じてあえて放置しておいてくれる?
やっと自分の人生を自分自身の意思で選択し決断するレッスンを始めた私は、幼稚園児のようなもの。
危なっかしく見えるかもしれないけれど、見守ってもらえたら嬉しいです。
支えようとしてくれる優しい友人の手を、そっと放す。

5時頃には帰るからねと娘と約束し、友人に娘を託し前から訪れたかった場所へ一人向かう。

生きる意欲、歓びが、急カーブで満ちてくる

生憎小雨が降りだしたが、ずっと行きたかった場所を訪れることへの期待が、雨に濡れる憂鬱を忘れさせる。
記念館は住宅地の中、日本庭園を背景にコンクリートの角ばった端正さが不思議と周囲と調和していた。

・・・やっとたどり着けた。

パンフレットや写真で見るのと、その場を感じるのは違う。
思いがけなく紅葉する木々と庭園まで見られて気持ちがみるみる上向きになる。
記念館は哲学者が表すZENの世界を具体化したかのような静謐な空間。今度は晴れた日にゆっくりと来よう。
そう決めて、日本庭園へと続く裏山にある小道をわくわくと進む。湿った土を踏みしめるのは久しぶり。

土と苔と樹木の匂い。
大ぶりな街路樹の黄色のイチョウの葉に見慣れた目に入る、繊細な紅葉の重なり合う様子は刺激的だ。
上を向いてつい、足元の飛び石を踏み外しそうになる。そのくらい綺麗。

色づく紅葉の奥には江戸時代の住居と池があるのがわかる。
苔むした灯籠。あるがままの自然もいいけれど、人の手の加えられた自然の美しさも心に沁みる。
綺麗の持つチカラが明らかに私にエネルギーを補給してくれるのがわかる。
慈しんで養生されて出来上がった見事な苔を踏まないように、飛び石となっている小道を歩く足取りが
どんどん力強く軽やかになるのを感じるから。
いろいろなことが心にまだ在っても、この景色に触発されて未来の計画が浮かんでくる。

仕付け糸がついたままの単衣の着物。来年の娘の誕生月の9月には、それを着て二人で記念写真を撮ろう。
ヴォイストレーニングの先生が師事されているお茶の先生が良さそうな方でもしお稽古が可能なら、
私も茶道をまた習おう。最近サイドボードにしまってある茶筅が目につくのはサインだ。

因習は受け継ぎたくないしもう捨てたけれど、伝統や旧きモノ全てを悪者と思っている訳じゃない。
この美しい街に住んでいる今を、もっと充実させたい。

先月末から音楽の調べを聞くことも、美術に触れることも、見たい景色を見ることも後回しにしていた。
そのことに大きな不満はなかったけれど、今日体験してこんなに心が満たされることに驚いた。
私は綺麗なモノが好き。これからも好きなモノからエネルギーを補給して、前に進んでいく。
自然や芸術が何故人生に必要か、今ならよくわかる。