palewhite’s diary

心模様は、日々さまざま。

本占い

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おみくじを引くように

「何か気になることがあるときは、神社に行っておみくじを引くんよね。」
いつも快活な、年上の女友達が以前漏らした言葉。
「引くとすっきりするんですか?」
「うーん、すっきりする時もあるし、もやもやが残る時もあるけど、気がすむの。」
何となく忘れずに心に残っていた会話。

何年か前から、神社の代わりのパワースポットが存在することに気がついた。
その場所は街中にあり、誰もに親しみのある空間だが、私にとっては特別な場所。
何か啓示やヒントを得たい時には必ず行くようになっている。
ただし、引くものはおみくじではなくて、本。
そう、私のパワースポットの名は「図書館」。

森林浴ではないけれど

図書館の自動ドアを大股にくぐり、貸出カウンター前を通り過ぎると、視界にはたくさんの
規則正しく植林されたかのような書棚が目に入る。
書棚と書棚の間に身を滑り込ませ、一冊本を取り出しページをめくると、私の心はふぅーっと息を吐く。
居るべき場所でなすべきことを純粋に愉しむ静かな時間。

この瞬間から、日常は背景となり、心はページに広がる世界へ移動する。
書店も好きだけれど、書店には古い本はない。すべてがピカピカの新品で埋められた現在の世界。
古い蔵書と新刊と、程よく年月がその上に経過した本が混在する、時空がつながる図書館が好き。

自然と触れ合い、音楽を聞くことは、私にとって絶対に欠かせない大切なこと。
それに加えて図書館を定期的に訪れることは、精神の安定には必要不可欠。
心が波打つ時も、喜びでスキップしたい時も、つかの間の現実逃避の時も、
どんな時も図書館はどっしりと丸ごとの私を受け入れてくれる。

図書館の平行に規則正しく本が並ぶ書棚を、散歩するように歩くのが好き。
様々な本が迎えてくれる背の高い書棚の間を、興味のおもむくままに散策する。
どことなく生真面目なコーナーもあれば、派手派手しいコーナーもあり。
その日の気分や感覚によって、立ち寄る場所は変わっていく。
本の持つ匂いや書棚から発せられるエネルギーを浴びながら、私は自分を取り戻す。

今日吸い寄せられたのは

最近まで、あまり興味が湧かずに素通りしていたビジネス書の並ぶコーナー。
お目当てのジャンルの書棚はもう少し先なのに、今日はビジネス書の書棚前で足が止まる。
並べられている本のタイトルをざっと流し読みすると、見落とせない一冊に視線が向かう。

なになに「働きウーマンの好感度がアップする声の磨き方」

この本と出会うために、ここに来たんだわ。
ヴォイストレーニングのレッスンを思いだしながらパラパラと内容を読み、借りることに決定。
とりあえず、ビジネス書はこれ1冊にして随筆コーナーや思想コーナーへと移動する。
他にも何冊も読みたい!と思える本と出会う。
思いがけない大漁に、ほくほくする漁師になったかのようだ。

こんなに借りるつもりはなかったから、エコバッグの類は持ってこなかった。
一枚皮のバッグに詰め込んでみるが、全部は無理。
なるべく無難なタイトルの本を手で持つことにして、パンパンになったバッグを肩にかけ
図書館とさよならをする。

本日の本占い

不思議なことに私の場合は選んだ本で、現在の心の調子や、心が過去現在未来の
どこを向いているかということを読みとれる。
おみくじを引くように、本を引く。最近はそんなことも試している。
そこから得たデータでにわか易者?となり、私は自分の進んでいる方向性を占う。

選んだ本をトランプのように広げ確認する。ジャンルはばらばら、共通点はない。
けれどよく観察すると、並んだ本から私の気持ちの方向性が見えてくる。
今日引き寄せられた本は全て、よりよく生きたいパワーが根底にあるものばかり。
よしよし良い兆候。良かった。

目が腫れて心が凪いでいて、このまま落ちた状態だったらどうしようと少し不安だった。
でもその気持ちを、ハンモックに揺られて午睡するように、そっとしておいた。
感情を怖がるのはもう止める。感情は海の波のように満ちては引いていくものだから委ねよう。
ここ数日の間にそう思えるようになった。

少し暑いくらいの夏を思い出させる陽気と日差しに、用事を済ませるだけで家に帰るのはもったいない、
図書館へ行かなくちゃと励まされ、娘の帰宅時間を気にしながらも図書館へ真っ直ぐ向かった。
やっぱり図書館は、そこにいるだけでほっとできて何かが自分にチャージされる場所。
そこで出会い我が家へ招いた本は、みんな明るく白く発光しているような気がした。

娘の帰宅時間を大幅に超えて、少し慌てながら部屋の鍵を開ける。
真っ先に娘の運動靴を確認しようとするが、ない。
靴がないことが嬉しくて、玄関でにっこりする。

リビングテーブルには
「遊びにいってきます!4時59分には帰ります!」
というメッセージに、にこにこマークのイラストが添えられた置手紙があった。
こんな気持ちの良い日は、家にいるのはもったいない。
お友達と約束してきたのね、良かった。

では私は早速読書とまいりましょう。
どれにしようかな・・・子ども達が何かを選ぶときに口ずさむフレーズが心に浮かぶ。
まずは軽めのエッセイから?ハウツーものも早く読みたいし。

ヴォイストレーニングのまとめや、他にもすることがあるから
7冊を一気に今日読むのは禁止。