palewhite’s diary

心模様は、日々さまざま。

夫へ

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振り返り、想う

オリジナルラブの曲を聴きまくっている。
部屋で、車の中で、心の中で、その歌声と生活を共にしている。
朝は目覚めとともに、夜は寝る前にオリジナルラブを聴き、
切なさを感じるのが毎日の日課。

ヴォーカルの田島さんの声と歌の歌詞が心に沁みる。
オリジナルラブが登場して頻繁に彼らの曲が世の中に流れていた頃、
素敵な曲とグループだとは思ったけれど、そこまで自分の心には響かなかった。
人生の半ばを過ぎ、生まれた頃の私に戻る途中経過中の、この段階だから見えるものがある。

振り返り、考える

見えなくてもあった、私が気が付かなかった男性の優しさや純粋な想い。
私は知ろうとせず、本当には解っていなかった。
結婚間もない若かった頃からつい最近まで、相手にこうして欲しい、私は彼にこうしたいと
自分本位に振舞っていた。彼はこんな愛情表現は好きか、こうしたいと思う私の気持ちは
自己満足ではないのか?という視点が抜け落ちていたと思う。
もう機会は逸したけれど、彼はどうしたいのか、どうされたいのかをもっと考えてあげたかった。

本当の意味で相手の目線で慮ることを、愛されているのだからと高慢な気持ちで無視していた日々。
夫に愛情を感じて、彼に配慮していると思っていたけれど、彼が欲しかった愛情や配慮をちゃんと
差し出せていたかは自信がない。
もっとも夫婦関係はお互い様な面もあるし、互いの未熟さも過去でもう過ぎたこと。
遅すぎる後悔や反省をする時期を超えた今、感謝と共に夫と向き合いたい。

オリジナルラブを聴きながら、夫と交わした会話の断片を思い出す。
初めて二人で行ったお店のことを懐かしそうに娘に話す彼に、私は無頓着だった。
二人が初めて出逢った街に戻り、終の棲家をかまえたことの意味を軽くみていた。
別居が決まり、ベランダのゴーヤで作った緑のカーテンを黙々と切り裂き外していた姿。
もう戻らない時間が、終わったとわかっていても切ない。

伝えたい想い

別れを決めた頃、愛せなくなった理由を探した。
夫の態度が冷たい、価値観が違いすぎる・・・。
でも自分を正当化せず、醜くて弱い自分を認めて受け入れたら理由探しの無意味さを発見した。
夫の態度が冷たいとか、価値観うんぬんといった紙屑みたいなものの傍らに、
磨かれていないけれどきらりと光るものがずっとあったことに気が付いた。

愛を感じられなくなっていたのは私で、そこに愛情はあった。
結婚生活には愛があったと実感すると、憎しみややりきれなさは、優しさや慈しむ気持ちに変換される。

私を愛してくれてありがとう。
私も、やり方はまずかったかもしれないけれど貴方を愛していました。
「自由になりたい」という最後のお願いを受け入れてくれた優しさを私は一生忘れない。

貴方はもっと幸せになっていい。
体型も崩れていないし、貴方の姿は今でも私をどきりとさせる。
きっと10歳年下ぐらいまでの女性は貴方のことが恋愛対象。
仕事だけでなく、新しい伴侶もぜひ見つけて人生を楽しんで。
もう私はあなたの傍で応援したり、憤慨したり、笑いあったりはできないけれど、貴方の幸せを祈っている。

オリジナルラブを聴きながら、切なさを噛みしめる。
「大切なものは、目に見えない」サン=テグジュペリの言葉。
目には見えないけれど、見えないものがあることを、目をつむれば感じることができる。
もう少し、その余韻に浸っていたい。