palewhite’s diary

心模様は、日々さまざま。

友人のご主人が54歳で亡くなり思うこと

不自然な喪中葉書の到来

そろそろお正月の年賀状の準備をしなくてはと考えていた
からだろうか。
喪中につき・・というお知らせを2通受け取った。
この季節に、独特の淡い色彩で親族の死去を告げるために
送られるハガキの文面は、87歳の祖母が永眠などの文章が
書かれたものが多い。
ポストカードのような葉書のスタイルに違和感を感じながら、
葉書をフリーペーパーやチラシの束と分けてじっくり見て
言葉を失った。

私の年上の友人の旦那様が、54歳で亡くなられた。
子どもがいないご夫婦で、二人はこのままずっと素敵な
カップルとして暮らしてゆかれるのだろうと思っていた。
定年になったら故郷に帰り、NPO活動などを通じて地域に貢献
したいという夢を持ち、登山と愉しいことが大好きだった
方は、地元に帰ることはなく、東京で息を引き取られた。

代わりに彼女が独り、旦那様の故郷に買ったマンション
へ帰る。
もうマンションのローンはとうに返済済みで、あと数年で
悠々自適な生活を始められるはずだった。
全てが準備万端に整えられていたのに、人生は不条理だ。


友人の旦那様はその瞬間を愉しめる方だったから、密度の濃い
人生を送られたことを知っている。
二人は互いの大切さをちゃんと言葉にして伝え合えてもいた。
衝突しても相手を理解する姿勢を失わずに、ずっと共に
生きてきた。
その相手が予想もしない死を迎えたことで友人が受けた
衝撃は、力ない筆跡の彼女の文章に滲んでいる。

先への備えを優先して、今を粗末にする生き方はもうやめよう

ヒトは自分が早逝しないと無邪気に疑わずに、やれ老後の
備えがどうだ年金受給が国の政策が・・とまだ存在しない
未来に対しての不安に囚われがちだ。
自分に老後がこない可能性もあることを考えてもみず、
未来への心配に胸を痛め、今この時に意識を集中させずに、
時間を使い捨てすることがないだろうか。
私は以前、そういうことが多かった。
今でもときおり昔の習慣で、過去や未来へ意識を飛ばして
しまい、今をおろそかにすることがある。
後悔をしないように今を生きよう。

大切な人には愛情をいちいちしめそう。
仲たがいした友人には、相手がどう反応しようと自分の本心を
伝えて、受け入れられなくても悪いと思ったら謝罪してみる。
赦せないと思っていたヒトを大空から眺めてみよう。
怒りや反発やプライドから武装した心を、自分から丸裸にして
怖がらずに相手に近づこう。
それから、それから・・・。

明日の朝、まずは友人にメールを送ろう。
夜はどうしても思考が後ろ向きになる。
明日の方がもっといい言葉を送れる。
その後で、そっとして静かに見守るか電話をするか
判断しよう。
友人が、眠れぬ夜を過ごしていませんように。
気丈な方だから、皆に気を遣いかえって心を苦しく
されていませんように。
○○しないようにという否定形は切ない。

あの旦那様が同志として選んだ友人は、小さい喜びを
毎日に見つけているかもしれない。
どうしているかわからないけれど、旦那様の大きな腕
ではないけれど、私より大柄な彼女にハグしてあげたい。
今日はご夫妻のために祈ろう。