palewhite’s diary

心模様は、日々さまざま。

登校をしぶった娘を送りだした朝

ドアが閉まった後、これでよかったのかと自問自答した朝

細長く雲がたなびく空は、11月だというのに夕暮れになるのがゆっくりしている。

まだまだ暗くならない空に、余裕で遊ぶ男子小学生の声が

家の前の公園から響いてくる。

4年生くらいまでは、そこに娘の声も混じっていたなと、

室内でDSに夢中のわが娘を想う。

今私は、娘がリクエストしたソーダ味のアイスクリームを買ってくるという

任務を果たし、ふぅと肩の力を抜き、パソコンに向かっている。


今朝娘は小学校に行きたくないと言った。

慢性的に続く鼻水やら咳で体調が良くないし、

何だか学校に行きたくないと訴える娘。

体調が万全でないことには同情するけれど、

総合的に判断して登校可能じゃないと話す私。

娘:「あーぁ、不登校になりたいよ。」

私:「そうだねぇ。」

娘:「・・・もうっ。いってきます!」

怒った顔を見せびらかすようにアピールして、

娘は乱暴にドアを閉めて登校した。

ドアが閉まり、これで今朝の騒動はおしまい。

娘は自分の発言を意地でも守るからだ。

今頃は不機嫌モードで速足に、怒りを燃料に学校に向かっているのだろう。

室内に残される私は、辛い。

娘と違い、身体を動かさないから移動もなく、

景色が変わらないまま静寂に取り残されるのだ。


思考がこんがらがってくる。

学校は、休んだら休んだでかまわないと思っているのに、登校させてしまった。

「休んだら。」と一声かけるべきだったか。

塾に学校と、良くやっている。息抜きは必要よね、でも今週は祝日があったし。

親の自問自答には、永遠に正解はないと思う。

明るい声で帰宅した娘

あぁ本当に、娘にまつわることは、私のウィークポイントだ。


小さいころから内気で独自の世界を持つ娘が、いわゆる普通の女の子たちと

仲良くできるように、元夫と二人で、陰ながら心を砕いてきた。

同学年の子どもを持つ母親同士のお茶会に、

無理をして参加した。(すぐにやめたけれど。)

協調性を養ったり、同じ学校以外に交友関係を広げられるように、

娘とよく似た子との出会いを夢見て、ガールスカウトやキャンプにも

本人の同意を得て入れた。(もう活動していない。)

何故か本人の希望で、一年間女子サッカークラブに所属し、

熱血保護者の方に混ざったりもした。

(親はすごく疲れ、娘は急速に興味を失ったので、皆さまに頭を下げて退会した。)

私は、自分自身が子どもの頃には示してもらえなかった関心を、

娘に注いでいたと思う。

元夫も、授業参観に出席するたびに、休み時間に娘がどうしているかに

一喜一憂していた。


子どもが小学校6年生になり感じるのは、友人関係や本人の在り方は、

親がどうこうできないことが多いということ。

本人が、その状態をどう捉えているかは、状況を見ただけではわからない。

放置して見守るか、大人が介入するかは、その子の性質をよく見極めて

判断すべきだと思う。

大人が自分の不安を消すために、子どもの問題(にみえる状況)を解消しようと

することが、本当に良いことかと尋ねられたら、私の直感は否という。

子どもにも、ひとりでいたいときにはひとりでいる権利がある、と感じるから。


たくさんの取り巻きを連れた女子が、心から満足しているとは限らないし、

娘のように読書に逃避している女子が不満でいっぱいとも限らない。

ほのぼのした友情を築いている女子たちもいれば、常にグループの誰かを

はぶくことで、自分が生き残ることばかり考えている女子たちもいる。

優しさも、残酷さも、上下関係も、ねたみも、無邪気さも、世知辛さも、

まぜこぜなのが小学校の現実。

いっそ、大学生くらいに娘がワープできたらよいのにと考えてしまう。


子どものことを考えていたら段取りが狂い、気が付くともう娘の下校時間。

お菓子がない!!!ゼリーなども作ってないから本当に何もない。

せめて娘の好きなお菓子を買ってきてあげたいと玄関に急いだら、

ドアの向こう側に気配がして郵便物を持ってきてくれた娘が

穏やかな顔で立っていた。

「ただいま。」

いい声、うん、大丈夫だ。

「おかえりー。これからおやつを買いに行くところ。今朝はごめんね。
・・・○○ちゃん、不登校になってもいいよ。」

「えぇーっ。恥ずかしいから嫌だよ!それよりアイス買ってきてよー。」

不登校になったらまぁそれはそれだしと考えているので、

娘の返答内容には特に何も感じなかった。

でも娘が元気を取り戻していることには安心した。

「わかった。じゃっ行ってきます。」

朝の重苦しい気持ちが身体から抜けた私は、現金にも図書館に寄ることにして

娘に留守を頼む。

やっぱり、今日も、いい日。