palewhite’s diary

心模様は、日々さまざま。

月の光を浴びながら

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もう夏は終わった

昨晩偶然、ゴミ出しのためにマンションの外へでたら月が見えた。
マンション正面玄関からふと夜空を見上げた瞬間、台風の影響か墨汁で作られたわた菓子みたいな雲が、
劇場の幕が開くように左右に流れそこから月が見えたのだった。
時間にして5秒以内。私が月を眺めたことを確認したかのように、またさっさと月は雲に隠れた。

8月の月光浴以来落ち着いて月を見ることができないでいた。
明日も月を見よう、そして明後日の皆既月食も見なくちゃ。
そう決めたのが昨日。そして今日も月を見ている。

8月にはねっとりと絡みついてきた空気が、目に見えない小川のように今は風となって身体の傍を通りすぎる。
停滞していた物事が身辺に漂っていた夏が過ぎ、10月を迎え手放した物事のぶんだけ身軽になった私がいる。
すうすうとしたこの肌寒さは、余分な幾層もの殻を脱ぎ捨て裸に近付いた今の私の心にぴったりとくる。

寂しさではなく清々とした気持ち

娘を寝かしつけ、こっそりと部屋を抜け出し月を見ているこの瞬間に静かな満足感を覚える。
これからは娘と二人で生きていく。そのことに不安はない。
自分の力で自分が思い描く人生を作り上げていける。
もう一度人生のスタートラインに立てるようになった巡り合せを有り難く受け取りたい。

ひとつ忘れてはいけないこと。
私が自分の気持ちを大切に心を偽らず生きることを選択できるのは、私の選択をたとえ自分がどう思おうと、
最後には受容してくれた娘と夫がいるから。

おとぎ話に多い「そして皆幸せに暮らしました」簡潔でスウィートな結びの言葉。
人生は途中でビタースウィートな物語になる場合もあるけれど、書き換え可能。
私はハッピィ・エンドを信じている。