palewhite’s diary

心模様は、日々さまざま。

ヴォイストレーニング② 音声の飛距離を伸ばす

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神様の悪戯か

先週1週間、丹田を意識した呼吸法や骨盤の滑らかな動かし方を自宅で練習していた。
個人的には前より身体を意識して発声をできていると思うが、どこまで成果がでるかは
先生の前で披露するまでわからない。
どうか上達していますようにと願いながらレッスンスタジオへ入っていった。
今日はナレーターの方と、複数の会社を経営なさっている実業家(と判明)の方(お二人とも女性)
と先生と私でのレッスン。
ナレーターの方のヨガ歴20年について、皆で感心して話していると先生がポツリと仰った。
「今日体験レッスンに一人来られるけど、離婚カウンセラーの方やわ。」

「えーっ、そんな職業あるの?」
と、どよめく私以外の方達。
「やっぱり時代かな。」
「そういう需要があるのよ、必要な人いるんじゃない。」
「相性悪いなら別れたらいいのに!考えられない。離婚なんて考えたこともない。」
「・・・いろんな場合があるのよ」←これは私の言葉にできない心の声。
様々な意見が飛び交い会話に活気がでて、そのうちに何故か全員で笑ってしまっていた、そう私も。

私はこのメンバーには伏せているが、年内に離婚予定。
離婚カウンセラーの方が体験レッスンにいらっしゃるなんて、完全に想定外だ。
何かの冗談にしか思えない不思議な展開に、笑いがとまらなくなってしまった。

神様は絶対悪戯好き?
私、まんまとひっかかりました。
絶妙な仕掛けというか・・・ともかくウケました。
あっけらかんとしている自分の心が頼もしい。

「大丈夫、えらいウケてるけど?」
先生に訝しがられてしまった。口元を引き締めねば。
こんな展開が経験できるなんて、ある意味凄い。
どこかの会合で先生がお知り合いになられたという離婚カウンセラーの女性はどんな方だろう。

世慣れた感じの女性の方

離婚カウンセラーの方は少し遅れていらっしゃった。
黒い光沢のあるシャツに黒と白のギンガムチェックのタイトスカートに黒いハイヒール。
靴はルブタンかは不明だが、ソールは赤。
きびきびした動作をされる感じの良い方だが、何となく大昔に会社の上司にお付き合いさせられた
夜のお店で働いていた方々に印象が似ている。
この方は着替えを持参されておらず、それでもできる範囲、膝上丈のタイトスカートでレッスンに
参加されると仰った。
さあ、身体をほぐすところからスタートだ。

順調に進むレッスン

前回身体をほぐす段階で、リラックスを意識しすぎて身体が硬直してしまっていたが、
幸い今日は大丈夫。力を抜けるようになっていて、一連の動きもすんなりこなせる。
先輩の受講生のお二人は「こ」の字の発音に特化した課題の原稿を読み、私は椅子に掛け、
音声の飛距離を意識して出すこととなった。
丹田を意識し口を閉じ、歯と歯の間からスーッと息を吐く。
その後息を吸い丹田を膨らませ、一呼吸置いて横隔膜を準備して丹田を再び意識する。
丹田は常に軸として定まっているのだが、初心者の私の場合意識することから始まる。
その一連の動作が完了したら、瞬時にこんどは口腔をその音に合わせた正しい形にスタンバイさせておく。
今日は「お」の形を口で作ることになり、先生のお手本を見て、自分でもやってみる。
すると、
「前に何かしてた?・・・合唱か。最初からこの形を一発で決められる人はなかなかおらん。」
と先生が褒めてくださった。
いつもとぼけた質問をして先生を呆れさせているので、たまに褒めてくださるとありがたく感じる。
さあ「お」を出して見よう。

音声の飛距離

最初に出した「おー」の音声はぐらついてしまった。
身体の中心線が発声中にぶれたから。
次は口が左に動いてしまいやはり音声に安定感がない。
三度目で安定した音声を出すことに成功。
ただし私は真っ直ぐに音声をだすことだけに意識を集中してしまい、音声がどの距離まで届くか
意図することをすっかり忘れていた。
すかさず先生の指導が入る。
「ほら、何も考えんとやるとこんな近くしか声が響かんやろ?どこまで音声を届けるか考えてやってみよう。」
先生が、少しはなれた場所で片腕を踏切の遮断機のように出してくださった。
「ここまで音声届けて。」
丹田を意識し正しく口の形を作り、身体の中心からぶれず、先生の腕にめがけて音声を響かせるように行う。
届いた!はっきり先生と私にわかる。
「この調子。今度は部屋の突き当りの壁まで飛距離を伸ばしてやってみて。」
先生の言葉を受け、飛距離を意識して「おー」を何度も繰り返す。
意図することって大事。
音声の仕上がりがこうも違ってくるとは意外だった。
実際にやってみると違いは明らかだが、日常生活ではこんなことはしないので新鮮な体験。
飛距離を伸ばす練習で今日のレッスンは終わりとなった。

離婚カウンセラーの方のまとめ

レッスン終了後、離婚カウンセラーの方から、何のためにこのレッスンに通っているのかと
受講生3名に質問がでた。
ナレーターの方から順番に答えていく。そのひとつひとつを興味深げに聞きながら、次は離婚カウンセラーの
方がご自身のことを語り始められた。
離婚カウンセラーになられたいきさつや、仕事を転職する人と離婚を繰り返す人は同じ場所で躓く!
など薀蓄のある言葉が印象に残ったが、挫折をして人間は成長する、挫折は失敗ではないとの話の
箇所の辺りから心にシャッターが下りてしまい話についていけなくなった。
見るとナレーターの方も、実業家の方もぽかんとされている。先生と私は困った顔を見合わせてしまう。

離婚カウンセラーの方のお話は世間では成程と思われる内容だと思うけれど、ここは世間一般とは異なる空間。
皆が腑に落ちない感覚となっているのを観察して、こちらにレッスンに来ていることが正解だと確信した。

離婚カウンセラーの方は立派な社会人で、仰ることはごもっともなこと。

でも私は苦労より、フクロウの方が好きだな。

重々しい世間を背負った大人っぽさより、軽やかな子ども心を忘れない気持ちに惹かれる。
たとえ子どもじみていると思われても。
そういう自分の嗜好が離婚カウンセラーの方のおかげでより明確になった。
ここまでは頭脳で考えたこと。こんなことをわざわざ考えること自体、何だか堅苦しくて重苦しい。
身体をほぐす要領で一度ぎゅっと肩をすくめ、そのあとふぅっと肩を緩め、邪魔な思考を解放させる。
教訓なんて、毎日見つけなくていい。気持ちの良さ優先で。

そんな思考の動きとは別に、心はもう、とうに違和感を通過させていた。
少しずつ楽器のように自分の身体を扱えるようになってきたことに対しての満足感を感じている。

今日も面白く充実した時間を過ごせて良かった。
とても楽しかった。
来週のレッスンがお休みなのが残念☆