palewhite’s diary

心模様は、日々さまざま。

月光浴

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スーパームーンは見逃したけれど

寝室の窓を開けふと見上げると、月がべっこう飴のように光っていた。
スーパームーンは残念ながら時間の関係やら荒れまくる天候やらで見られなかったけれど、
今晩の月もなかなか、どうして、いい感じ。

「ねぇねぇ、月光浴に行こうか」娘を誘ってみる。
「おお、いいねぇ行く~」と乗り気な様子。
娘はついでに星空観察もするといい、雑誌の付録の中途半端な大きさのビニール製バッグに
星座早見盤や懐中電灯を詰め込んでいる。
私は月光浴という月を外で感じる非日常を早く体験したくて、家の鍵だけを持ち玄関に向かう。

まあるい月と秋の風

マンション隣の、空がよく見渡せる場所へ移動する。
月はやはりべっこう飴のような色で、ぼわんと光を放っていた。
まだお盆前なのに、風がうっすらと冷たく秋を感じさせる。
猛暑に厭きてきていた身体に風が心地よい。
名月はやはり秋がお似合い・・と言葉を組み立ててみる。

星空観察と月光浴の同時進行

うっとりと秋の気配と月の輝きに身を浸す。
眉間の間に月の光を浴びる!とイメージし、目を軽く閉じて、
この瞬間を感じることに専念しようとする私。
その視界を、黄色いクロックスを履いた人物が360度せわしなく動き回る。
どうやらどこが、どの方角か、わからないらしい。
「ねぇこっちは南かな?」
星座早見盤はこんなときにこそ役立たせるものじゃないの?

月光浴に到底集中できる状態ではなくなり、私は努力で維持した忍耐強さで
方角を説明した。星座早見盤を間違った方向に合わせてたら、夏の大三角形
みつからないよね。心の中でこっそりとつぶやく。
小言を言いに来たのではない、私は月光浴をしにきたのだから、穏やかな態度を貫こう。

月光浴の魔法

「ちょっと走ってもいいかな?」
娘の問いかけに、「少しならね」と答える。まだ寝る時間には早いし迷惑にはならないよね。
娘は久しぶりに涼しい外の空間にいられることが嬉しくて、小さな円をかくように走る。
「生きてるっていいことに思えてきた~」
飛行機のような体勢で、にこやかに笑いながら娘が放った言葉に驚く。

これは、月光浴の魔法?

この瞬間を感じていたのは、私だけではなく娘もだったのか。
あ、でもたまたまこう言っただけかな。
真相は不明。
日常の非日常には謎が生まれる。