palewhite’s diary

心模様は、日々さまざま。

サイクリング花火大会

 

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小学生女子2名、大人女子2名で花火大会へ行くことになった。

場所は、自宅から自転車で約10分あまりで到着する河川敷。

さて交通手段はどうしよう。車は駐車スペースの問題があるし・・・徒歩、自転車?

「子供たちも高学年だし、保護者と一緒だから自転車で行こう」

全員の意見が、すっきりとまとまった。

 

昼間の暑さがちょっぴり和らぎ、微風も吹いて、空はまだ明るさを保っている。

これならライトを点灯しなくても余裕で大丈夫。ピンクのヘルメットを装着し、

自転車での冒険にわくわくしている子ども達と、いざ出発。

 

時間帯を忘れていた。裏道を通っているのに、帰宅ラッシュの車が前から後ろから、横から!やってくる。

車が近づくたびに「気をつけて」「左に寄ってね」「ほら来てるよ」

と子ども達に声掛けをしながら、サドルから降りて自転車を引き、時には車のドライバーと頭を下げあうことを繰り返す。ようやく車との付き合い方をマスターしたと思ったら、道路が坂道になってきた。

ペダルが重くなる。子ども達がだんだん不機嫌になる。

ああ、快適な自転車での移動のはずだったのに。

「ほら、橋が見えてきたよ。もう少し」

自分自身も励ましながら、何とか到着。ここまでで、全員がすでに汗まみれ。

やっと到着

浴衣姿の男女や若者のグループ、お年寄りと孫などあらゆる層の人々が、

ゆったりと花火の打ち上げを待っている。もわんとした、暑さと湿気と期待の渦に

私たちも合流し期待が高まっていく。

ここでひとつ、問題発生。

自転車が邪魔なのだ。ぶらぶら鑑賞するにはバッグと違ってとても持ち歩けない。

駐輪場は辺りを見回しても、ない。その辺に自転車を置こうと主張する私達に

小学生女子達は、

「路上駐輪はよくない」とおずおずしながら、でもきっぱりと主張する。

そうだよね、せっかく綺麗な花火を見にきたのだからルールを守って気持ちよく行動しよう。

その代り、また自転車を漕ぐか、引くかしての移動の始まりだ。

駐輪場を探して

普段は隙間があるに違いない駐輪場も、今晩はタイヤを割り込ませることができないくらいに詰まっている。

ここも駄目、次も・・・一杯。とうとう河川敷から離れたビル裏に停めることになった。

自転車という大きな荷物から解放されていい気分。ドオン、ドオンと花火のあがる音がして、建物の隙間から花火が見える。若干切り取られた形だけれど、うん、綺麗、十分素敵。花火の美しさに励まされて、飲み物を飲んでもう一度、河川敷を目指す。

再び到着

橋の上から眺める花火に全員から自然に歓声があがる。

喉がかわいた後の水のように、自転車との格闘の後の花火鑑賞は身体に染み入る。

綺麗だけれど儚い花火を、子ども達はどちらが上手に撮れるか競争している。

大人は花火を視界にいれながらおしゃべりをする贅沢なひととき。

話に夢中で、気が付いたら花火は終了していた。

帰宅への道

比較的スムーズに駐輪場まで戻り、帰りのルートを検討する。

明るい大通りにするか、裏道を行くか。来るときに裏道を選んでも車と遭遇したことと、大通りの方が子ども達の姿が目立ち安全と大人の意見が一致して、煌々と光るアーケードを抜けて帰ることにした。

今度の難問は人。花火帰りのカップル、酔っ払い、学生、観光客と見られる人々の

中を、一列となって自転車を引いて歩く。それでも人ごみにひやりとする。

慣れない子ども達との夜の外出。緊張と暑さと疲れが混じり、まいったなぁと

笑えてくる。不自然に浅黒いお兄さんたちに「ライダーだ!」と囃し立てられ、

保育園の引率のように「はい、信号が変わったらまっすぐ進んで右にカーブします」

と話す声に振り返る観光客の人々からようやく離れて、一同サドルにまたがった。

普通に自転車に乗れる快適さ!帰りの坂道は皆で励ましあって乗り越えた。

自宅に着き、帰りの移動にかかった時間を確認すると・・・一時間。

 

私達は花火大会に行ったのではなかった?何故全身汗で湿って筋肉が程よく

疲れているんだろう。花火鑑賞だけじゃなく、サイクリングもしたよね。

気分は何故かツール・ド・フランス

子ども達は満足そうに「楽しかったね」と手を振りあいながら別れを惜しんでいる。

ほんと、楽しかった。そして面白かった。こんな状況に嵌った私達が可笑しくて、

シャワーを浴びながら笑えてきた。

来年も、また行こうね。ただし今度はバスに乗って。